3D アーティスト&プロ講師兼 Pixologic 公認 ZBrush インストラクターの福井信明さんは今回 iClone 7 を目に付け、簡単かつ快適なモーションづくりを試してみしました。

福井信明

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経歴・キャリア

1996年~ 2D & 3DCG 講師

1997年~ グラフィックデザイン事務所 HOPBOX 代表
2D & 3Dイラストレーション、グラフィックデザイン業務。並行して 2D & 3DCG アーティスト活動。

2017年~ Pixologic公認インストラクター・マスター

Q1: Reallusion ツールを利用するきっかけはなんでしたか?

「Mixamoのデータを生かすことができる」「簡単にリグ設定」「直感的にモーション作成できる」これらが解決すればイメージすることに集中できるので、ずっと探していた。 Tooさんの紹介でそれらを解決する iClone ファミリーに出会った。

Q2: 具体的の制作フローとおおよその制作日数を教えてください。

ワークフロー

 ・OcculusRiftS&Medium(ソフト)を使い、VRモデリングでキャラクター作成。

 ・ZBrushでメッシュを少し整える。リトポロジー。顔&歯と目と体を階層分け。

 ・MODOでUV展開

 ・SubstancePainterでテクスチャー作成

 ・Mixamo でボーン設定

 ・3DXchange に読み込み

 ・3DXchange から顔・歯・目をエクスポート → ZBrush に読み込む

 ・ZBrush で顔のモーフモデル作成(70点)

 ・モーフモデルを 3DXchange に読み込む。表情を設定

 ・3DXchange から iClone 7 へ

 ・iClone 7 でモーションを作成。手付け&プリセット調整によって

 ・iClone 7 からアニメ付きの FBX エクスポート

 ・blender に読み込み、フレームごとに OBJ 書き出し(170体)

 ・3Dbuilder でエラーチェック&修正

 ・ミマキエンジニアリングのフルカラー3D プリントで出力

 ・撮影

詳細については福井さんの文章を参考してください:
https://note.com/hopboxnob/n/n6c307e61510b

日数

① モデリングか Mixamo でのボーン設定、モーフモデル作成まで2日間

② iClone 7 での基本設定やモーション作成1日間

③ blender に読み込んでから書き出し&エラー修正 半日間

④ フルカラー 3D プリント3日間

⑤撮影1日間

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Q3: Reallusion 製品を使う前と後でどんな変化がありましたか?

3D プリント用途として

ポージングがしやすいので、スピーディーにいろんなポーズを検証できるようになった。思い描いたポーズを的確に素早く作ることができるようになり、バリエーション作成も苦痛ではなくなった。

UE4での活用において

「モーションを作ろう」というモチベーションが上がった。

Mixamo や iClone 7 に無数にあるプリセットを活用することで多彩なモーションを自作キャラクターに組み込めるようになり、助かった。

その後、プリセットを調整するようになり、さらに1から作るようにもなった。

iClone 7 のタイムラインや、モーション作成を支援する機能はとても使いやすく、1からモーションを作るモチベーションアップになっている。

ツールによって自分が求める要求値が上がっていくことを感じる。

「個人製作のもので、全体的な印象を優先している。だから、モーションは荒くても良い」と思っていたが iClone 7 によって「モーションも自然な動きを追求したい」と思うようになっている。

Q4: これからアニメーションを作成したいクリエイターに対して アドバイスはありますか?

静止画や 3D プリント品を完成品として活動しているアーティストは、iClone 7 によって、キャラクターのポーズ付け作業が大いに効率化すると思う。いったん設定が終わってしまえばバリエーション作成が効率化する。iClone 7 のみで簡潔すると思うと、若干造型に気になる部分が出てくると思うが、ZBrush での再調整を前提とすれば問題ない。

「ZBrush → iClone 7 → ZBrush」というワークフローは表現の幅を広げ、奥行きを深めてくれる。

そして iClone 7 を用いて動画作成やゲーム制作にもチャレンジしてもらいたい。iClone 7 でのキャラクターのモーション作成はとても簡単かつ奥行きが深い。まずはプリセットをいじる程度のもので大いに遊んでもらって、次に手付でのモーションとの組み合わせを楽しむと良いと思う。

「自作キャラを生き生きと簡単に動かすことができる」これはいままで「そこまでは出来ない」と思っていた静止画ベースのアーティストによってとてもエキサイティングなことだ。

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