この文章は、3D アニメーションコンテスト 2021 の優秀作品を取り上げた記事です。受賞作品から鍵となる手順を学び、アーティストたちからインスピレーションを受け取ってください。それでは、Gergana Hristova 氏の Character Creator(CC) + iClone による作品 “ジュダル” をご覧いただきましょう。

Gergana Hristova
こんにちは。ブルガリア出身の Gergana Hristova です。フリーランスのプロダクトデザイナー、児童書イラストレーター、キャラクターデザイナーなど、Photoshop でできることなら何でもやっています。今まで Warner Brothers や Hasbro といった素晴らしいクライアントと仕事をすることができて、とても幸運でした。そのおかげで、Toy Design は私の情熱として徐々に発展してきました。

絵を描くことは私の趣味であり、同時に仕事でもあるのですが、数年前からマーケットでの競争力を維持するためにはスキルセットを拡大しなければと感じ始めていました。それまで私の役割は常にコンセプトイラストレーターに限られていたので、2020 年になってようやく Zbrush の 1ヶ月の初心者コースに申し込む決心をし、その後 Blender を YouTube にある無料のチュートリアルを片っ端から見ながら勉強し、最終的に Character Creator 3iClone 7 に出会いました。

私がこのショーケースを作成した理由

今回のコンテストでは、私はスタイリッシュな作品を目指し、2D をいかにうまく 3D に変換できるかに挑んでみたいと考えました。日本のアニメに憧れていたので、題材はアニメでいこうと即座に決めました。

いつかトイ制作をしてみたいという夢があったのですが、リップシンクコンテストに参加してみて、iClone のアニメーションプロセスが流れるように簡単に行えることには驚きました。キャラクターを作り命を吹き込むのにほとんど時間はかかりませんでした、私はまだ使い始めたばかりだというのにですよ!

アニメのキャラクターは、手描きに向くようにデザインされることが多いんです。それを 3D で再現するにあたって、この手描きスタイルを維持するのは私のスキルレベルではちょっと難しい……それで、もっとリアルにするか、私の好きなディズニーやピクサーのスタイルをバランスよくミックスするか、悩みました。

キャラクターをディズニープリンセスにせず、オリジナルソースにできるだけ近づけようと努力したのは面白い経験でした。結果にはまだ不満がたくさん残っていますが、それでも、この初めての体験で限りない可能性を持った 3D の世界を身近に感じることができましたよ!

iClone でどうやるか

3D ジュダル チュートリアル #1 & #2

ステップ1:Character Creator でキャラクターを見つけて、ビルドする

キャラクターは「マギ」のジュダルにしました。声優さんの演技が好きなのと、長い編み込みの髪をアニメーションにしたら面白そうだと思ったからです。

Character Creator を使えば日数をかけてモデルを最初から作ってリギングしなくても済むのは助かります。今回は Cartoon Character バンドルから既に整形済みの「Steve」を使用することで、さらに時間を短縮することができました。後はソフトウェアにある便利なスライダーを希望する結果になるまで調整するだけ。腹筋や腕の筋肉、メイクアップなどのディテールの追加も、プログラムに内蔵された Realistic Human Skin 機能のおかげでとても簡単でした。

ステップ2:追加ソフトウェア

キャラクターをカスタマイズするのも楽しいパートのひとつです。私はモデルシートに従っていたので、望ましい結果を得るのに他のプログラムの活用も考慮する必要がありました。

Photoshop を使って目の PBR マップを作成し、また肌のディテールも若干調整しました。

またスカーフがリアルに見えるように、Marvelous Designer を使って作成しました。

その他、あらゆる点で助けになったのが Blender です。シンプルなシェイプを元にして、ジュエリーやパンツ、ブレードのようなものまでスカルプトすることができました。それから Blender Hair ツールプラグインは最も優れていて最も楽しいツールです。多分どんな特殊なヘアスタイルでも作成できちゃう。アニメっぽい見た目にするには、先端を少し細らせて尖った感じにすると良いです。

ステップ3:セットの作成とライティング

「凄く作り込まれた」セットも、実は PBR テクスチャで覆われた平らな面に過ぎません。第4シーンのアーチだって、単純な平面に不透明マップを貼り付けただけなのです。著作権フリーのイメージ画像はインターネット上にいっぱいありますし、いくつかの画像は私も Photoshop で作成・加工を行いました。正直言うと背景に関してはちょっと楽をさせてもらいました。キャラクターの方に力を注ぎたかったので。

ライティングについては、パレットはブルーとティールに絞り、補色としてオレンジを少しだけ使いました。

ステップ4:ボディとヘアのアニメート

3D で再現するために私が選んだのは、キャラクターアニメーションがほとんど無いシーンでした。それでも私は Motion Puppet ツールを使って簡単な動きを付け、キャラクターが彫像のようにずっと立ちっ放しにはならないようにしました。例えば最初のシーケンスでは、両手は頭の上に置いたまま、下半身の動きだけを Motion Puppet の「Bored」オプションを使ってレコードしました。カスタマイズがとても簡単で、おそらく iClone 7 の最も優れた機能の 1 つでしょう。

同じように、ほとんどのシーンで三つ編みの微妙なアニメーションは、Spring Effect オプションと Prop Puppet ツールを使うことで、すぐに実現することができました。

ステップ5:iClone でのリップシンク

私が全然上手くできないんじゃないかと心配していたのは、リップシンキングでした。10 年ほど前、伝統的なアニメーションでリップシンクをやろうとして挫折していたもので。とても時間がかかるし、頭がクラクラしてくるし、退屈だし、もう勘弁してって感じ……だから AccuLips でやれると分かった時には、もう本当にホッとして泣きそうになりましたよ!

作業の大部分が自動で完了したおかげで、音に合わせた口の形、顔のアニメーションや表情に、より一層集中することができました。頭部をアニメートするにはいろいろな方法がありますが、私はキーフレームを使う手法が動きを上手くコントロールできたので、このやり方でいくことにしました。

ステップ6:VFX

そうして最後にクールなエフェクトの追加です。スモーク、ライティング、マジカルな煌めき、それからもちろん空中に浮かぶパーティクルもね。私は既に PopcornFX プラグインを購入済みだったので、それでどんなことが出来るか見てみたくてたまりませんでした。驚いたことに、そのライブラリは私が必要な全ての、いいえそれ以上のエフェクトをカバーしていました! カスタマイズは簡単で使い方はシンプル、そしてプレビューも高速でした。爆発する火の玉はすぐには必要にならないかもしれないけど、蒸気や舞い上がる埃、それに粒子状のパーティクルエフェクトなんかは、どんなシーンでも優れたフィニッシュワークをもたらしてくれると思います。

最後に、感想とまとめ

多分もうお分かりかと思いますが、私はとても怠け者で、そのくせこだわりは強い人間です。だからこそ Character CreatoriClone は私にぴったり。退屈で手間のかかる作業が一瞬で終わるので、こちらはクリエイティブに集中して、楽しく作業を進めることができます!

ご覧いただき、ありがとうございました!


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